ochiaiの備忘録

読んだ本や、パソコン関係の話などまとまり無く

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

マグネシウムはエネルギーの通貨『マグネシウム文明論』

矢部 孝,山路 達也
PHP研究所
発売日:2009-12-16


 “マグネシウムを燃料として使おう”というのがこの本の趣旨です。
 マグネシウムは1キロ当たり25メガジュールの熱量を蓄えています。石油が30メガジュール/キログラムなので、それよりはやや少ないです。
 しかし、マグネシウムには石油にはないメリットが3つ有ります。

 1つ目は酸素と反応させてエネルギーを取り出しても、無害な酸化マグネシウムができるだけという点です。石油の場合は、二酸化炭素や硫黄酸化物などの有害物質が発生します。
 2つ目はマグネシウムは塩化マグネシウムの形で海水中に豊富に存在することです。石油のように枯渇を心配する必要はありません。
 3つ目は酸化マグネシウムはレーザーで精錬し、またマグネシウムに戻せるという点です。この“レーザーによる精錬”というのがポイントです。

 今のところマグネシウムの精錬にかかるコストが大きく、マグネシウムを燃料として使うことは割に合いません。しかし、この本の著者:矢部 孝さんはクロム-ネオジウムYAGレーザー触媒という物を開発してます。これは白色光を直接レーザーに変換する部品です。太陽の光は白色光なので、太陽光をレンズで集めクロム-ネオジウムYAGレーザー触媒に当てればレーザーをつくることが出来ます。
 レーザーは同一波長の光の束なので、凸レンズを通せば空間のある一点に集中します。この焦点での温度は2万度を超えます。2万度程度に加熱すると、酸化マグネシウムは気化し酸素とマグネシウムに分かれます。
 イメージ的には虫眼鏡で光を集めて紙を焼く場面を思い浮かべるといいかもしれません。

 太陽光を一旦レーザーに変えてから使う理由はエネルギーの集中度合いを高めるためです。太陽光などの白色光は様々な波長の光を含んでいるので、レーザーで集めても波長ごとに少しずつづれた位置で焦点を作ってしまいます。同一波長の光のみで作られたレーザーだからこそエネルギーを一点に集中させ2万度の高温をつくることが出来るわけです。

 これまで話したことをまとめると以下のようになります。

1. マグネシウムからエネルギーを取り出すと酸化マグネシウムが出来る
2. レーザーがあれば酸化マグネシウムからマグネシウムを再回収できる
3. 太陽光さえ有ればレーザーを作れる

 つまり、太陽光さえ有れば無尽蔵にエネルギーを回収できるという事です。
 太陽光からエネルギーを取り出すなら、太陽光発電でもいいのでは? そう疑問に思うかもしれません。しかし、作ったエネルギーをマグネシウムの形で長期間保存できるという点が重要な違いです。この違いは物々交換の社会と通貨の有る社会との違いに匹敵します。
 もし、お金が無かった場合。
 とった獲物は腐る前に消費するか、物々交換に使わなければなりません。
 たくさん獲物を取れる日があっても、獲物の取れない日の穴埋めにはなってくれません。
 しかし、通貨があれば別です。お金は腐りませんし、持ち運びにも便利です。価値を保存しておいて、必要なとき食料に買えることが出来ます。
 電気エネルギーはまだ物々交換の世界です。作った電気エネルギーはその場で消費するしかありません。太陽光発電で電気を作ってもそれ蓄えておくことは出来ません。赤道上で発電したエネルギーを日本に持ってくることも難しいです。
 しかし、マグネシウムならエネルギーの蓄積、長期輸送が可能です。

 エネルギーを物質の形で蓄えるという意味では水素もほぼ同じ機能をはたします。しかし、水素は以下のような問題があります。

1. 気体なのでかさばる
 (10立方メートルの石油と同じエネルギーを蓄えるのに31,500立方メートルの水素が必要(1気圧中))
2. マイナス250度にまで温度をさげないど液化しない
3. 水素吸蔵合金は重い上に高価
4. 爆発の危険がある

いうなれば水素は巨石のお金と言えるかもしれません。
 著者は既に海水から真水と酸化マグネシウムを取り出す事業も始めているらしく、今後の発展に期待できそうな話でした。
スポンサーサイト

≪ よーし! 『バタフライ・エフェクト2』を批判しちゃうぞ!ホーム自作 ipod touch スタンド解説(エルシャダイ-アーチPV風) ≫

Comment

コメントの投稿

 
管理人にのみ表示する
 

Track Back

TB URL

Home

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。